ネット上に自分の住所や電話番号、顔写真などの個人情報が晒されると、第三者による悪用リスクが一気に高まります。プライバシーが侵害されるだけでなく、詐欺やストーカー被害などの二次被害につながるケースも少なくありません。
特にGoogle検索結果に個人情報が表示されると、不特定多数のユーザーの目に触れる可能性があるため、迅速な対応が求められます。
本記事では、
- Googleに個人情報が表示される主な原因
- Googleへの削除依頼の具体的な手順
- 削除されなかった場合の対処法
- 同様の被害を繰り返さないための再発防止策
について、専門家監修のもとで分かりやすく解説します。
「自分の情報が勝手に晒されて困っている」「どう対応すればいいか分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。
Googleで個人情報を削除する方法は原因ごとに異なる
Googleの検索結果に個人情報が表示されてしまった場合、その削除方法は情報の掲載元や情報の種類によって変わってきます。
まずは、自分の情報がどこに、どのように表示されているのかを確認し、正確な対応方法を見極めることが大切です。
原因や個人情報の種類によって対応が異なる
個人情報がGoogle検索に表示される主な原因とは?
自分の名前や住所、電話番号などがGoogle検索結果に表示されてしまう原因には、いくつかのパターンがあります。ここでは、特に多いケースを紹介します。
1. 掲示板やSNSへの無断投稿
匿名掲示板やSNSで、第三者が無断で個人情報を書き込むケースが多発しています。悪意を持ったユーザーによる晒し行為や誹謗中傷の一環として拡散されることもあります。
2. 情報まとめサイトへの転載
掲示板やSNSで投稿された情報が、まとめサイトやデータベース型のメディアに転載されてしまうことで、さらに多くの人の目に触れる状態になることがあります。こうした転載元のサイトは自動収集されることも多く、本人の意思とは無関係に拡散が進んでしまうのが特徴です。
3. 自分が過去に投稿した情報が残っている
意外に見落とされがちなのが、自分で過去に投稿したブログ記事やSNSの投稿がGoogleの検索結果に表示されているケースです。現在では削除したつもりでも、キャッシュが残っていたり、アーカイブサイトに保存されていたりすることもあります。
個人情報が表示され続けるリスク
個人情報がネット上に公開されたままだと、プライバシーの侵害だけでなく、悪用されるリスクも高まります。
特に電話番号や住所、勤務先などが漏れてしまうと、ストーカー被害やなりすまし、詐欺被害につながる恐れもあります。
ネット上の情報は半永久的に残る可能性があるため、早急な対応が必要です。
削除依頼する前に証拠を確保
削除依頼を出す前に、必ず画面のスクリーンショットやURLを保存しておきましょう。
証拠がないと、後から情報が削除されたり変更された場合に申請が通らないことがあるからです。
また、Googleの削除申請フォームでは、表示されているURLや該当箇所の説明が求められるため、事前に証拠を整理しておけば、スムーズに手続きできます。
できるだけ具体的で分かりやすい情報を用意しましょう。
Google画像検索の結果から自分の写真を削除する方法
Google画像検索に自分の顔写真やプライベートな画像が表示されると、不安に感じるものです。
しかし、Googleは画像を直接管理しているわけではなく、インターネット上の他のサイトから情報を拾って表示しているに過ぎません。
そのため、画像を検索結果から削除するには、掲載元サイトへの対応が基本となります。
1.掲載元のサイトを特定する
まずは、Google画像検索で表示されている画像の掲載元のサイトを特定しましょう。
画像をクリックすると表示されるリンク先が、その画像が掲載されているサイトです。
URLを確認して、どのサイトがその画像を公開しているのかを把握することが第一歩です。
2.掲載元へ削除依頼する
掲載元が特定できたら、そのサイトの運営者に対して削除依頼を行います。
多くのサイトには「お問い合わせフォーム」や「運営者情報」が記載されているので、そこから削除依頼をしましょう。
誹謗中傷やプライバシー侵害に該当する場合は、その旨を明記すると対応されやすくなります。
対応してもらえない場合は、Googleに「検索結果からの削除申請」も併せて行うとよいでしょう。
Google検索サジェストから自分の名前などを削除する方法
Googleのサジェスト機能はユーザーの検索傾向に基づいて自動生成されるので、完全に制御するのは難しいですが、不適切な内容やプライバシー侵害がある場合は、Googleに対して削除申請を行うことができます。
ここでは、Google検索サジェストから自分の名前などを削除する方法を紹介します。
Googleへサジェストの削除を依頼する
サジェストに誹謗中傷や個人情報が含まれている場合、Googleの「検索候補に関する報告フォーム」から削除依頼を行えます。
報告フォームでは、該当のキーワードや問題点、どのような権利侵害が生じているのかを説明する必要があります。
削除の判断はGoogle側に委ねられますが、名誉毀損やプライバシー侵害に該当すると判断されれば、該当サジェストが非表示になるケースもあります。
検索履歴が表示されてるだけかも?
検索窓に出てくる候補が「サジェスト」ではなく、あなた自身の検索履歴である可能性もあります。
これは、Googleアカウントにログインしている時に過去に検索したワードが自動的に補完される機能です。
確認するには、ログアウト状態やシークレットモードで検索してみましょう。
もし履歴が表示されているだけなら、アカウント設定から履歴を削除することで対処できます。
検索結果に表示される個人情報を削除する方法
Googleの検索結果に自分の名前や住所、電話番号などの個人情報が表示されると、プライバシーの観点から不安になるでしょう。
ここでは、検索結果に表示される個人情報を削除する具体的な方法を3つ紹介します。
専用フォームから削除リクエスト
Googleでは、個人情報の削除依頼を受け付けるための専用フォームが用意されています。
専用フォームでは、削除したいURLや表示されている情報の内容、個人情報がなぜ問題なのかといった詳細を入力する必要があります。
証拠となるスクリーンショットを添付することで、申請が通りやすくなることもあります。
申請後は審査が行われ、問題があると判断されれば該当ページが検索結果から除外されます。
Googleに法的な理由を元に報告する
削除申請がプライバシー侵害や名誉毀損など、法的根拠に基づくものである場合は、Googleの「法的な問題の報告」ページから申請を行うこともできます。
この方法では、より詳細な説明が求められますが、権利侵害が明確であれば強い対応が期待できます。
例えば、個人情報が無断で公開されていたり、虚偽の内容が掲載されている場合は、法的観点からの申請が有効です。
自分の過去の投稿なども整理しよう
過去の投稿が原因で検索結果に表示されることも
Google検索に自分の個人情報が表示されている原因の中には、自分自身が過去に投稿した情報が元になっているケースも少なくありません。
実名での投稿やコメント欄への書き込みに注意
たとえば以下のような行動が、意図せず個人情報の公開につながることがあります。
- 実名で運営していたブログやSNSアカウント
- 掲示板やサイトのコメント欄で実名や個人情報を記載した投稿
- ネットショップやレビューサイトでの実名付きの口コミ
これらの情報は、時間が経ってもGoogleにインデックスされたまま残ってしまうことがあり、検索結果に表示され続ける原因となります。
自分でできる対応策 削除・非公開設定
過去の投稿が原因である場合は、まず自分でその投稿を削除するか、非公開に設定することが有効です。Googleの検索結果は一定期間ごとに更新されるため、元情報が削除されれば、時間の経過とともに検索結果からも表示されなくなっていきます。
削除依頼に応じてもらえない場合の対処法
Googleや掲載元に削除依頼しても、必ず申請が通るとは限りません。
ここでは、削除依頼に応じてもらえない場合の対処法を3つ紹介します。
削除依頼の内容を見直す
まずは、提出した削除依頼の内容に不備や曖昧な点がなかったかを見直しましょう。
削除理由が十分に説明されていなかったり、証拠が不十分だった場合、申請が却下される可能性があります。
例えば、「プライバシー侵害」や「名誉毀損」など、法的根拠を具体的に明記することで、再申請時の成功率が高まる場合があります。
必要に応じて、丁寧に文章を補強することが大切です。
弁護士に相談する
削除依頼に対応してもらえない場合、弁護士に相談するのも有効な手段です。
ネット上の誹謗中傷や個人情報流出に強い弁護士であれば、法的措置に基づいて削除を求めることができます。
特に名誉毀損やプライバシー侵害が明確なケースでは、弁護士からの通知や仮処分申立てにより、Googleやサイト側が迅速に対応することもあります。
法的アプローチは最後の手段として有効です。
専門業者に相談する
自分で対応するのが難しい場合は、ネット上の風評被害対策や情報削除を専門とする業者に相談するという方法もあります。
専門業者は、Google検索やサジェストの削除実績があるため、効率的かつ確実なサポートが期待できます。
ただし、費用や業者の信頼性には注意が必要です。
口コミや実績をよく調べて、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
Googleで個人情報が表示されないかチェックする方法
まずは、自分の名前や電話番号でGoogle検索を行い、どのような情報が表示されているのかを確認しましょう。
この時、必ずブラウザはシークレットモード(プライベートブラウジング)を使用してください。
シークレットモードは、GoogleChromeの右上の「︙」から「新しいシークレットウィンドウ」を選択するだけで使用できます。
通常モードでは自分の検索履歴やログイン情報などが影響し、正確な結果が表示されない可能性があるからです。
また、検索結果には「画像」「ニュース」「地図」「動画」などのバーティカル検索(にも分かれて表示されるので、それぞれのタブも忘れずにチェックしましょう。
見落としがちな画像検索やマップ情報にも、個人情報が含まれているケースもあります。
個人情報が晒されないために再発防止策
ここでは、個人情報が晒されるのを防ぐための具体的な防止策を紹介します。
SNSやブログの使い方を見直す
SNSやブログでの発信内容が原因で、個人情報が特定されてしまうケースは少なくありません。
位置情報のタグ付けや、自宅の写真、通勤経路の投稿など、日常の何気ない投稿がヒントになってしまうこともあります。
公開範囲を制限したり、個人が特定されるような情報は投稿しないなど、発信前に一度立ち止まって確認する習慣を持ちましょう。
各種サービスの設定を見直す
ネット上で利用しているサービスのプライバシー設定も、しっかり確認しておく必要があります。
例えば、SNSのプロフィールが誰でも閲覧できる状態だったり、検索エンジンにインデックスされる設定になっていると、第三者に簡単に見られてしまいます。
アカウントごとに公開範囲やセキュリティ設定を定期的に見直し、必要以上に情報が漏れないよう管理することが大切です。
ネットリテラシーを高める
情報社会でトラブルを回避するには、ネットリテラシーを高めることが不可欠です。
例えば、「安易にリンクをクリックしない」「怪しいDMに返信しない」といった基本的な行動を身につけることで、個人情報流出のリスクは大きく下げられます。
情報を見極める力と、正しいネットの使い方を常に意識し、自分自身を守る意識を持ちましょう。
まとめ
Google検索に自分の個人情報や画像が表示されてしまうと、不安や恐怖を感じるのは当然です。
しかし、掲載元への対応やGoogleの専用フォームを活用すれば、多くの場合で情報を削除できる可能性があります。
また、削除依頼がうまくいかない場合でも、弁護士や専門業者に相談することで対処の幅は広がります。
まずは、自分のSNSや投稿内容を見直し、ネットリテラシーを高め、トラブルを未然に防ぐ意識を持ちましょう。